KSQことKaori ShaQueda。
横浜市在住。
文字を綴ることを好み、ときにギターを弾き歌い、かと思うとトライアスロン(短距離の)に挑戦したり、ハイキングに勤しんだり、はたまた猫なみによく眠ったりもする。
2015年第一子出産。
一人。猫三匹。ギター三本。
詳しくは、Author Profileで。

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ネコト





カーテンコールの末に
あんなにコミカルに逃げ回って、やっと助かって、ハッピーエンドだと思ったのに....。おもしろおかしかったシーンが次々と頭に浮かんで来る。それこそ走馬灯のように。(あ、実は研いでいたとみせかけて、刀を切れないようにしちゃってたとか、そういう落ちじゃないの?実は死んだふりで、まだ生きてるね。)とか考えてみたりする。とにかく、脳みそが目の前のストーリーの決着を受け入れようとしない。

そのとき、舞台中央で息耐えた辰次に向かって、天井からぴーーーん、とピアノ線が張られていることに気付く。キラーンと光ったのは、そこにライトが当たったからだ。ん?何だろう?

すると!そこに一枚の紅葉の葉が出現し、ピアノ線をつたって、ツツーツツツーーー、と辰次の上に散り落ちていく。ゆっくり、ゆっくりと。紅葉の葉が辰次に到達したそのとき、静かに、そして、キッパリと幕が引かれる。

勘三郎さんが天に召されたと知った一日、私の頭の中に鮮やかに蘇り、仕事仕事の狭間に、繰り返し繰り返し上演されたのは、この「研辰の討たれ」のラストシーンです。

一昨日、ふと立ち寄った近所の公園で、木々の紅葉がここ数年来見たことのない美しさだった景色とも重なり… 深紅黄金の紅葉をバックに、キッパリと幕引かれた勘三郎さんの役者人生という大舞台について思いを馳せました。

惜しみないカーテンコールの拍手喝采の嵐の末、いつか、現勘九郎や七之助が演ずる舞台で、「あ、勘三郎さんがお出ましになった!」と実感するときがくる、そのときがくるまで、いや、きてからのちも、勘三郎さんのあの舞台も、あの舞台も、あの舞台も… 忘れることはありません。





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